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建築素材を訪ねる旅「建具 手作り障子」
更新:2011-12-15 9:23:47   閲覧数:2265
前回に引き続き、建築を学ぶプロのための勉強会に参加させていただいた時の、建具の製作現場をレポートします。
今回は家族経営の真面目な建具職人さんの工房を訪ねました。

埼玉の山奥に、女性スタッフの明るい笑い声が弾ける清潔な町工場がありました。
家族以外にも数名の職人さんを抱えていらっしゃるようです。



















この工場では、銀座の料亭に収める高級な障子なども作っています。
丁寧に組まれた格子を見て、心が落ち着くのは日本人ならでは心象でしょうか。
建具枠に嵌められる前の、素材としての格子があちこちに置いてあります。
住宅を設計する際には、時々障子のデザインをする機会も得られますが、格子の太さや間隔は匙加減が難しいというか、デザインの妙味、センスが問われるものです。

建具枠は2枚差しで組まれるものもあります。最近ではこの組み手の加工が出来る職人さんが減って来ているそうです。
本来、障子は釘や金物を使わず、こういった組み手と糊(ご飯粒を練ったもの)で組み立てていたそうです。だからこそ数百年経った建具であっても修繕が利き、モジュールが一定だったからこそ、建具だけを違う屋敷に運び込んでも使用可能だったわけですね。






さてこちらでは、職人さんが建具の仕上げに掛かっています。
しっかりとした枠に引手を付けるため、ノミで掘り込みを作っています。
白木の引手がしっくりと落ち着くために、緩くてもきつくてもいけません。






ピッタリと収まりました。
さすがです。










引手の付いた枠に、もう一人の職人さんが障子を入れて行きます。
…障子とは言っても、今回はワーロンという白いアクリル板のようなものを使うようです。
ガラスにようにも見えますが、ワーロンは衝撃を与えても割れませんので安心です。
両側から桟で挟みこんでビスで留めます。将来、ワーロンが壊れたり変色した際に交換する事が出来るように考えられています。
日本の建具は立派です。

こちらも立派な格子戸です。
この格子戸には本物のガラスが入れられるようです。
先ほどの障子とは違って、すでに組みあがった格子の真ん中にガラスをスライドして落とし込むようですが、製作の精度が高い上、木が湿度によって反ったり膨らんだりしているためになかなかガラスが入って行きません。大変な作業ですね。




建具職人さんたちの細やかな作業、キチンと整った道具を見て、美しいモノは整然とした場所から生まれるんだなと思いました。
住宅の建築現場においても、だいたい建具屋さんは身なりの清潔なイケメン男子が多いのですよねー。
無機質な空間に美しい建具が納まると、空間が慎ましくも華やかに変化します。
これこそが建物に最後の彩りを添える素晴らしい職人技なのだなと、思いを新たにしました。

最近の住宅ではメンテナンスフリーが好まれて、アルミ製の枠に破れないプラスティック紙が貼られたものが使われている事も多いようです。
でも、日本の手仕事から生まれた素材を取り込み、家族全員で障子紙を張り替えるような、年中行事を大切にするような暮らしは、とても大事だと思います。

今回の見学も、膝を正して職人技に見入る、貴重な機会となりました。


 
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