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建築素材を訪ねる旅「建具 フラッシュドア」
更新:2011-12-15 9:24:18   閲覧数:3564
住宅に欠かす事のできない建具(ドア)。
建具を極力少なくする事でローコスト化を図るという考えもありますが、どうしてもトイレや洗面所には建具が必要です。
当たり前のようにカタログから選びがちな建具が、どのように作られているのかに興味を持ち、建築を学ぶプロのための勉強会に参加させていただいて阿部興業株式会社さんの工場を見学してまいりました。
阿部興業さんは建具の中堅メーカーで、大手メーカーでは出来ない小ロット(100本単位)の受注生産で建具を制作するほか、数本単位の障子や門扉なども作っています。

今回レポートするのは、埼玉の奥深く、明覚という建具工房が多く建ち並ぶ街にある高瀬木工所の「小窓付きフラッシュドア」のライン。
「小窓付きフラッシュドア」は一般的なトイレドアなどに使われる事の多い建具です。フラッシュというのは「太鼓張り」と同等の意味で、芯材で組んだフレームに好みの面材を両側から貼り付けプレスして仕上げるタイプのドアです。

フラッシュドアの最初の行程は、フレーム組み立て。
フレームは歪みの出ない材料を使う事が最も重要との事で、ポプラLVLが使われていました。LVLとはベニヤを繊維方向に積層接着した集成材の事で、骨組材として現在最も使われている材料です。



フレームを組み立てる前に、引戸用の戸車装着用の穴を開ける作業をしています。
一つ一つが手作業で進められていきます。










下加工が終わったLVLを2人掛かりでセットし、タッカー(ホチキス)で留めて行きます。
気持良いほど息のあった作業で、声を掛け合う事もなく黙々とテキパキと進みます。

組みあがったフレームが、次の工程である糊付けマシーンの側にどんどん積み重ねられて行きます。





糊付けマシーンの奥で、作業員が面材の準備を進めています。出来上がりのデザインに合わせ、面材を盤の上にならべて養生テープで仮留めしています。


面材のレイアウトが終わった頃、糊付けマシーンから木工用ボンドが両面にベタベタに塗られてフレームが出てきます。それを面材の上にそっと置き、今度は上面の面材を並べて行きます。

並べ終わると、建具はプレス加工機に呑み込まれて行きます。
プレス加工機の中で圧着されながら、まず建具の上下がカット、次のマシーンでは左右がカットされ、少しの狂いもなく矩(カネ)の出た状態でひとまずの工程を終えました。


次の工程では、横手(おうて)を付けます。






横手とは、建具の両サイドの小口に貼る材料の事。建具の開閉の際に見え掛かりとなりますし、ぞんざいな処理の場合、面材が剥がれてしまう事もありますから、ここは綺麗に仕上げなければなりません。
横手にボンドを塗りつけ、作業員が貼り付けた後、プレスに入れて熱と重みで圧着します。
最後に、長めに付けた横手を手鋸でカットし、サンダーを掛けたらひとまず完成です。

今回は作業を見る事が出来ませんでしたが、小窓部分のガラスの取り付けなどの工程もここで行われ、あとは出荷した先の建設現場で金物類(ドアノブや引手、戸車など)が取り付けられ、住宅で使用される状態になります。

この見学をさせていただけて、一般的に良く使われている建具の誕生を見られた事、そこで働く方々と触れ合う機会を得られた事はとても貴重な経験でした。
阿部興業さんではオリジナルデザインや寸法オーダーも受け入れて下さるとの事、またシナベニヤのフラッシュドアなど、建築家好みのドアも制作して下さるそうで、建具の選択の幅の拡がりを感じました。

次回のコラムでは和風モダンなリビングにもぴったりな障子戸を作る、家族経営の町工場見学をレポートいたします。どうぞお楽しみに!








 
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