サイトマップ お問合せ ホーム
ホーム >  講座内容  >  住まいの学校「藤沢・鵠沼」(終了講座)  >  第4回 「夏涼しく冬暖かいエアコンに頼らない住まいづくり」
第4回 「夏涼しく冬暖かいエアコンに頼らない住まいづくり」
更新:2011-9-1 12:18:44   閲覧数:1506
8月21日(日)に開催した『住まいの学校 藤沢・鵠沼』では、「夏涼しく冬暖かい、エアコンに頼らない暮らし」をテーマに、現在募集中のプロジェクト「逗子銀座エコパッシブハウス」の設計パートナー、HAN環境・建築設計事務所の松田穀紀さんをお迎えし、環境に配慮した家づくりのお話をじっくり伺いました。

お話のタイトルは「自然の力で冬暖かく夏涼しいすまいづくり−エアコンに頼らないパッシブデザインの家」。

「パッシブデザイン」という言葉はまだ聞き慣れないませんが、「パッシブ」とは、「自然の恩恵を享受する、感受する」という意味の言葉だそうで、「自然の恩恵を住宅に取り込むためのデザイン」と解釈できますね。
夏のクーラーに頼らずに過ごせる、家づくりの第一の基本は「暑さの原因を作らない事、遠ざける事」。軒や庇によって夏の直射日光を住まいの中に入れない、ヨシズなどによって住まいの外側で徹底的に日射を遮蔽する、落葉高木によって西日を遮蔽するなどが具体的な対策となるそうです。
そして第二の基本は通風と排熱換気。例えば、北側樹木の下に溜まった冷気を住まいの中に吸い込む、夜間冷却を取り込んで熱容量の大きな土間や土壁に蓄えるという方法もあるそうですよ。
機械設備に頼らないパッシブデザインで心地好い室内環境をつくる原則的なポイントは、住まいにある程度の気密断熱性を持たせた上で、「日射遮蔽」「通風」「熱容量の活用」の3つを取り入れるとの事。
まずは建物周辺の環境を整え、次に建物のデザインを考える、それでもなお必要なら最小限のエネルギーを使ってパッシブデザインを補完することが大切なんですね。いくらパッシブデザインに気を使っても、建物のデザインがパッシブに向いてないければ有効ではありませんし、建物の周りに樹木がないようでは自然環境を取り入れる事も出来ませんからね。

パッシブデザイン<夏の時期:パッシブクーリング>の具体的ポイント

1.日射遮蔽
暑さの原因を作らない、遠ざける、外部から侵入する熱の徹底的な遮断が重要です。
夏の太陽高度は78度くらい。それを見越して、室内に日差しが入らないような庇を建築時に計画します。夏の日差しに熱されたベランダの床の温度は気温を遥かに上回るので、ベランダの床が暑くならないようにヨシズやグリーンカーテンを設置するなどの工夫をすると室内も涼しく快適です。グリーンカーテンは葉の中の水分による蒸散作用(打ち水と同じ)により気化する際に温度を奪っていくため、効果的です。

2.通風
微風でも体感温度は涼しく感じます。(風速が1m増す事に体感温度が1℃下がる)それぞれの地域には頻度の高い風向きがあるので、それを調べて取り込む事。風上方向に窓を取って、自然の風を室内に取り込み、暑くなって上昇した排熱を、開閉可能な高窓などによって速やかに排出する事が大切。また、防犯に配慮した開口部を設け、夜間換気する。



3.輻射熱
人間の皮膚感覚は体感温度に左右されていることにお気付きでしたか? 体感温度は室温と壁天井の表面温度の平均値と言われており、輻射熱が暑さの原因となるのです。
その体感温度は=(室温+表面放射温度)÷2
例えば、<左図>室内の壁の温度が32℃で室内気温が28℃の場合は、(32+28)÷2=30℃となり、これは暑い!
でも<右図>室内の壁の温度が26℃で室内気温が28℃の場合は、(26+28)÷2=27℃となり涼しい!

4.熱容量の活用
熱容量の高い素材(水・コンクリート・タイルなど)を室内側に取り入れる事で室内の温熱環境を安定させ変動が穏やかになります。
写真の縁側のようなスペースはコンクリート+タイルの蓄熱層になっています。 ただ暑いだけの夏…と思いがちですが、深夜0時過ぎからの夜間放射による冷却効果はとても大きいものです。窓に防犯用の格子戸を付けて、夜の間に外気を室内に取り込み、室内に冷たさを蓄熱させます。それを日中の暑い時間帯にジワジワと室内に冷気を放つことで、快適に暮らすことが可能なんですね。

5.湿度調整
室内の湿度が10%下がると体感温度は1℃下がる。
土間、土壁、無垢の木材など湿度を調整する自然素材を使う事で室内の快適性がアップします。





パッシブヒーティング<冬の場合>
基本的な考え方は夏と同じですが、冬は特にダイレクトゲインという手法を用います。
冬は太陽高度が低く、南側の窓から暖かな光が沢山入ってきますので、太陽から届く遠赤外線を気温が下がる夜に利用すべく、室内に蓄熱させる必要があります。日差しの当たる室内の部分に、熱容量の大きい硬くて重いものを設置するわけです。誰でも経験があるように、同じ温度の熱湯を入れた場合に木製のお椀であれば、手で持つことが可能ですが、磁器のご飯茶碗に熱湯を入れたら持ち続けることは不可能ですね。このご飯茶碗こそが熱容量の大きな素材ということになります。
これと同じ原理で、室内に熱容量の大きな素材を敷くとお日様の熱を蓄熱して、周囲の気温が下がったときに熱を輻射してくれるわけです。

この講座で学び、パッシブデザインとは、建物を取り囲む環境から考えていく事だという事が良く理解できました。自然を外敵としてみるのではなく、自然を受け入れ、その恵みを生かし居心地のよい空間をつくっていく事で、省エネに繋がるしくみが作られていくのですね。

「すがすがしさ」、「さわやかさ」といった数値にあらわれない生活のゆたかさを享受する自然と共生したライフスタイルに、これからは、もっと価値をおいた住まいづくりを考えても良いのではないだろうか…と仰った講師の松田氏の言葉がとても印象的でした。

パッシブデザイン住宅は意識を持って新築時から取り組まなければ、作る事の出来ない住まいです。
多くの方々に、高い意識を持って、取り入れて頂きたいとの思いを新たにしました。

湘南・鎌倉 住まいの学校では、これからも為になる講座を展開して参ります。
是非お誘い合わせの上、ご参加ください!


 
前
住まいの学校「藤沢・鵠沼」 講座概要
カテゴリートップ
住まいの学校「藤沢・鵠沼」(終了講座)
次
第4回 「夏涼しく冬暖かいエアコンに頼らない住まいづくり」ピックアップ動画!
トップへ戻る
参加者の声
Twitter
参考文献
スタッフオンリー
ユーザー名:

パスワード: